始まりがあるということは終わりがあるということだ。
それはもう仕方ないことだとわかっているけど、わたしは好きなアイドルが卒業するたび、好きなジェンヌさんが退団発表をするたび、その日が来なければいい、と考えてしまうのだ。
2017年3月26日、Especiaは解散をする。そのニュースがTwitterで流れたのは1月27日、一年前にスタジオコーストでEspeciaが東京進出をする、それに伴って三人卒業をする、と発表された日だったと思う。まさか一年後にこんな発表があるなんてと心が冷たくなるのを感じた。
第2章になってからなかなか現場に足を運べなかった後悔や、休学をしてまで東京に出てきたメンバーのことをすぐに考えたが、一介のオタクがこんなことを考えても仕方ない、Especiaは解散をするのだ。解散をして、しまうのだ。
3月末の日曜日なのに冬みたいな冷たい雨が降る今日、結構な量のアルコールを入れて新宿に降り立った。あまり足を踏み入れない歌舞伎町のライブハウスBLAZE。そういえば少し前にリリカルスクールが前体制のラストライブを行った会場だっけ、と思いながら階段を降りた。
前日までのレポートを見て、絶対に今日はいいパーティーになることを確信していた。解散ライブがいちばんのナイスパーティーに、あほか。そんなのこっちは望んでいないのだ、できることならば、ずっとメンバーには歌を歌っていてほしかったそれは彼女たちがアイドル売りをせずガールズグループという体を取ったことで、これからもずっと続けられると思っていた、続けられなかったのは、もしかしたら「アイドル売りをしなかった」ことが原因だったのかもしれないけどそんなこともうどうだっていい。解散は決まっている。
GUSTOのintroで入って来たメンバーがステージの中心に集まり、向かい合ってアビスが始まる。第2章になってから披露されてなかった曲、わたしが大好きな曲、そして客席が一体となるシンガロング。
全員がものすごく上手くなってるし、なんでこんなにいい曲を歌ってる人たちが解散しなきゃいけないのかわからなくて、そして全く解散の実感がなくて不思議なライブだった。
ダブルアンコール前に起こった清水さん(元マネージャー)コールや、ぐちゃぐちゃしたヤジも前とそんなに変わらなく、悲壮感は全くない。声を枯らしてメンバーの名前を叫び、落ちサビでケチャをする。めちゃくちゃ楽しい。たのしい、本当に、解散するの?
「みなさんの中でEspeciaが生き続けることを願っています。これからもEspeciaをよろしく」とMCで言われたけど、わたしのなかで死ぬことはないと思う。わたしのなかで何度もなんども聴き続ける音楽の一つになる。
一番ハッとしたのは、くるかな。
最後のサビに『物語は続いてゆくの』という歌詞がある。
彼女たちの物語は舞台を降りても続いている。
それはいまのEspecia三人だけじゃなくて、過去のメンバーも、そして私たちも。
三人とも泣いてしまったMCを聞いても、関係者の名前が出てくるエンドロールを見終わっても、わたしはespeciaが終わってしまった実感がぜんぜんない。でもこれで終わりなんだろうな。始まったものは終わりが来る。「みんないつかは死ぬのよ」
冨永悠香ちゃん、森絵莉加ちゃん、ミア・ナシメントちゃん、ありがとう。おつかれさま。
あなたたちの物語もわたしたちの物語も続いてゆく。またどこかで会いたいね。
清水さん、ありがとうございました。
ペシストの方も、また、どこかでね。おつかれさまでした。
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